酒蔵オンステージ ─ 今月いち押しの酒蔵 ─

創業1822年 - 文政5年 「金升酒造」

酒蔵オンステージとは、新潟県内の酒蔵全蔵について、
一蔵2ヶ月ずつ、ぽんしゅ館を挙げて押していく取り組みです。
オンラインショップでも実店舗と同様のラインアップをご用意しております。

2024年10月から2024年11月は、新発田市の金升酒造を押します!

金升酒造 外観

“水の便よろしく米産地の中央たる”地の利

文政5年(1822年)、新潟県北蒲原郡岡方村長戸呂(現・新潟市)で初代高橋善之助が高橋酒造店を創業、治16年(1883年)に濁川村名目所(現・新潟市)に移り、大正8年(1919年)、三代目高橋耘平(うんぺい)が、旧新発田藩主溝口侯御菜園跡地(現・新発田市)への蔵の移転を決定しました。御菜園とは薬草園のことです。
新発田への移転の理由として、耘平は以下の条件を挙げました。

1.水の便よろしき事
2.米産地の中央たるべき事
3.交通上至便の地たるべき事
4.販売地域の拡大たるべき事
3.都会地に接近し、子女の教育上便利たるべき事

以降現在に至るまで、新発田市において酒づくりを行なっています。
昭和15年(1940年)単式・連続式の蒸留施設を共に有する工場を増設し、日本酒蔵としてはめずらしく単式蒸留焼酎も製造しており、かつてはウィスキーも製造していました。
“水の便よろしく米産地の中央たる”地の利を生かし、地産製造の一貫した酒づくりに力を入れています。

2020年度より、フランス、ブルゴーニュ地方の自家栽培製造のワインづくりに着想を得、地元出身のワインソムリエ・渋谷康弘氏と協働し、一枚の圃場から採れる米だけで仕込んだ「ドメーヌ高橋プロジェクト」を開始しました。

新発田の豊かな風土を凝縮した無濾過 生原酒、純米大吟醸です。
ラベルおよびパッケージデザインは新発田出身のアートディレクター・鈴木直之氏に依頼、オール新発田でお送りする限定酒です。

※金升酒造 ウェブサイトより一部転載

▼今月の「この蔵、この一本」:金升 碧ラベル

▼商品紹介:春の心地をはこぶ酒「初花」
▼商品紹介:一枚の圃場から採れる米だけで仕込んだ「ドメーヌ高橋」

先人から受け継がれた意思

金升酒造 酒造り

金升の紋印は、尺金と升を組み合わせた図案です。
「長さは尺金で測り、嵩は升で量るように、正確で正直な商売をする」という先人から受け継がれた意思が込められています。
この図案とともに、蔵に伝わる縁起のよい吉祥文様をラベルにあしらっています。

・隠れ蓑
身につけると姿が隠れてどこからも見えなくなる天狗様の宝物。
雨・風をよけることから身を守るという意味もある。

・隠れ笠
身につけると姿が隠れてどこからも見えないと言われる宝物。
日をよけることから身を守るという意味もある。

・七宝
円が四方に重なり合って作られる。
円い形は円満を意味する。七宝は仏教でいう7種類の貴金属、宝石。

・丁字
香辛料のひとつ。薬・塗料・香料・鬢付け油を作る原料として珍重。
希少価値から宝づくしに加えられた。

・金嚢
お金やお守り・香料などを大切に入れる袋。お金が貯まる。

・宝巻
ありがたいお経が書かれた巻物。知識徳義の宝庫として大切にされた。

・分銅
天秤で物の目方を量る「目安」とするおもり。
金や銀を分銅の形に鋳造して蓄える。貯蓄の象徴。

・打出の小槌
打てば何でも自分の望む物が出てくることから富貴のモチーフ。
物欲をかなえる。

・宝錠
宝物の蔵を開ける鍵。財産を象徴している。
扉を閉ざし外敵から守る役目。


主たる素材の米の品質こそが酒の品質と直結する

金升酒造 酒造り

金升酒造では近年「米どころ新潟の蔵元」という地の利を生かし酒米の生産から手がける地産製造の一貫した酒づくりに力を入れています。
2017年に入ってからは地元農家と共同で農業法人を立ち上げ、その活動を本格化し地元紙にも紹介されました。

米と麹と水というシンプルな素材から生まれる清酒は、主たる素材の米の品質こそが酒の品質と直結するということは言うまでもないでしょう。
製造している酒米の品種は2種類、五百万石と越淡麗。
蔵元として酒米づくりから取り組むことでさらなる品質と安全安心をもってお客様にお届けできる酒を目指しています。

米づくりは田んぼと周辺の環境についても関わることになります。
秋、黄金色に輝く稲田の美しさ。晩秋、刈り入れ後の田んぼにたたずむ白鳥たちの優雅さ。冬、一面の雪に覆われた田んぼの静謐さ。春、水をはって田植えを待つ田んぼの爽やかさ。夏、風のうごきが見える青い稲田の躍動感。

一年を通じて豊穣な景色を育む田園をまもることが、高品質な酒づくりにつながります。

今月の「この蔵、この一本」

柏金升 朱ラベル

金升 朱ラベル 720ml

¥1,320(税込)

初花 純米大吟醸

初花 特別純米

ドメーヌ高橋2023

ほんかく芋焼酎 いもジェンヌ

金升酒造の酒蔵物語

普通酒の最高峰を目指す蔵
《最高の普通酒を作る》


オーソドックスな酒でいい、見面のスペックや裏張りではなくて理屈抜きで呑んだときに美味いと思ってもらえる普通酒を目指す。
特にお客様が瓶を開けた時の旨さを考えて酒造る。目指すは本醸造に負けない品質。 酒米越淡麗は農家と栽培研究会を通して全量を買う。

金升…金は金尺で長さを測る、升は量を測る、間違いのない正直な酒造りをするという意味。
金升酒造は歴史観、風景を残すノスタルチックな蔵。大きな土蔵が2棟と明治時代に造られた棟が印象的。中庭は田中秦阿弥(たいあみ)という名人庭師によってつくられたもの。

創業当時ぽんしゅ館の酒風呂の酒を開発してくれたのが金升酒造です。ここは過去に柱焼酎、ウイスキーも造っていました。その多様な技術はいまも生きているはずです。






“酒蔵マップ”

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