ぽたり、ぽたりと一滴一滴瑞々しく
麒麟山酒造の冬季限定新酒の初出です。
使用米は「五百万石」。それも蔵人が心を込めて栽培した地元阿賀町産の五百万石です。
自ら育てた米で酒を醸す、だからこそうまい酒ができるんですね。
爽快なメロンのような果実香味があり、新酒の新鮮さと少し荒々しいパンチも持ち合わせています。
後味はスッとキレがあり、米の余韻と原酒の濃厚さが後を引きます。
毎年今かと楽しみにしている方も多い「ぽたりぽたり きりんざん」。
1月蔵出しの「ぽたりぽたり きりんざん 越淡麗」と飲み比べるのも面白いですよ。
酒蔵物語「麒麟山酒造」
創業:1843年
所在地:新潟県東蒲原郡阿賀町
農家を育てる酒蔵
《うまいと感動する酒と吞み続けられる酒は違う》
酒米は契約栽培を含め14町歩(約152m×152mの田んぼが14枚)で酒米を栽培し社員も田植えをする。
毎年一等米には奨励金を出して生産者の意識と技術を高め良質の酒米を目指します。
将来は蔵のある阿賀町の米だけで造る事を目標に掲げ、1995年に「奥阿賀酒米研究会」を発足する。
そして2017年の秋の収穫で100%必要なお米を確保し、2018年で地元産米だけで一年分の造りを終えることができた。創業175年目の出来事だ。
使用している米の全量は、蔵の約10km半径内で栽培されている。麒麟山酒造ほどの規模で100%地元産米の蔵は全国的にとても珍しい。
米は仕込み水である常浪川(とこなみがわ)の水と同じ水を吸って育っている。
この蔵の県人のイメージは辛口で知られている。
杜氏は、一瞬旨いと感動する酒と吞み続けられる酒は違う、吞み続けられる酒が理想と…
この蔵の酒は新潟市(旧新潟島)の飲食店、居酒屋ではもっとも多く扱われている酒かもしれません。
日本酒のメニューにはだいたい登場している酒です。呑まれ続けているのはやはり吞みやすさだと思います。
2020年、新型コロナウイルスの影響で外出自粛が続く中、阿賀町の全4500世帯に一升瓶を無料で贈りました。長年支えてもらってきた町民へのお礼を兼ねて「外出自粛応援酒」を出すことにしました。
地元に根差し、まさに地元町民と支え合っているんだなと感じます。